道程
 
 
 
 
「あけましておめでとう、海堂」
「あけましておめでとうございます」
そういうとお互い深々と頭を下げる。
 
いつもと違う雰囲気。
それは二人とも着物を着ているせいであろう。
それともうひとつ・・・。
 
 
「時間までまだあるな」
「っす」
 
実は1時に青学R陣(モト?)と初詣に行くため部室前に集合なのである。
勿論言い出しっぺは桃城と菊丸。それに着物で集合と付け足したのが不二だった。
持っていない人が親戚中を駆け回ったのは言うまでもない。
なんせ不二様のご命令なのだから。その模様はまた別の話。
 
 
誰よりも先に想い人に会いたいと思った海堂は勇気を振り絞って乾を誘ったのである。
 
 
31日
 
PiPiPi
 
「はい」
「先輩、夜分遅くにすみません。今大丈夫ですか?」
「あぁ、どうしたんだ?海堂から電話してくるなんて珍しいな」
「いえ、あの・・・明日の初詣のことなんですけど」
「うん、どうした?何か問題でもあるのか?」
「問題なんてないっす!ただ・・」
いつになく歯切れの悪い海堂を不思議に思った乾は海堂の身に何かあったのではないかと不安になった。
 
「海堂、本当にどうしたんだ?ちゃんと言ってくれないとわからないよ」
「っ!乾先輩・・・俺・・俺と一緒に行きませんか?」
「はっ?えっ!?」
予想だにしなかった答えにさすがの乾も間抜けな声を出す。
「ダメですか?」
乾が困惑したような声を出したので海堂は不安になり弱々しく訊ねた。
「ダメなわけないが、どうしたんだ?いきなり」
「どうって・・別にただ・・・」
「ただ?」
「っ!先輩に1番に会いたいからっす!」
「えぇ〜!?」
 
まさか海堂が自分のことをそんな風に想っていたなんて予想を遥かに越えていた。
 
 
 
そして今に至る。
 
 
以前から興味のある存在ではあったが、こうも自分の予想外の行動を起こしてくると目が離せない。
 
 
 
「本当に海堂のデータは日々更新させられるよ」
少し嬉しそうな先輩の顔に海堂は赤面する。
(なんで嬉しそうなんだ?わけわかんねぇ)
 
「日々更新ってことはこれからもずっとすか?」
「え?・・・あぁ、そうだな。これからもずっとだよ」
「っ!ホントっすか!?」
「本当だよ」
「約束して下さい」
「データは嘘をつかない。だから俺も嘘をつかないよ・・約束する」
「っす」
 
 
 
先輩は約束してくれたけど・・・本当はわかっている。
環境が変われば、お互いの関係も変わっていく。
今まで先輩が隣にいるのが当たり前だったけど、これからは違う。
でも『約束』という名の呪(シュ)が俺達を繋げてくれるだろう。
俺達は大丈夫だ。
俺はそう信じている。
 
 
「さぁ、海堂そろそろ時間だ。行こうか?」
「っす」
 
 
 
 
今は歩む道が一緒でも何れ分岐点はやってくる。
互いに違う道を歩んでも道はどこかで繋がっている。
そのどこかで会えばいいんだ。
 
俺達は繋がっているのだから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 












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あとがき・・・・・・・コレはお世話になった方々へお正月SSとして捧げたものですv時期も過ぎたことなので解禁しました!一応フリーなのでもらってやろうという方はどうぞご自由にお持ち帰り下さい!ご連絡頂ければ幸いですv
















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